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ぺろりとそれをたいらげた後で牛乳を一気に飲み干す。
「さて、どうすっかな」
残りの食事には手をつけず、玄関へと向かいながら呟いた。
自分の靴がちゃんと並べられていたため、迷うことなくそれを履いて部屋を出る。
そうしてあくびをしつつ、ドアがカチャリと閉まる音を聞いて気付いた。
「――しまった。荷物全部、部屋ん中だ」
小さな手持ちバッグ。
それが唯一の荷物なのだが、その中には携帯電話も財布も必需品はすべて入っていた。
ためしにドアノブを捻ってみるが開くはずもなく、それをうらめしそうに見る。
現代の文明の進化が憎い。
「オートロック……ムカつく」
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