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「おなか空いた」
少女は突然、何の突拍子もなく応えた。
「……」
「……」
少女の声を聴いたエストとガンツはしばらく間を取り、ため息をついた。
「なんか、馬鹿な事したみたいッスな……」
「全くだ……子供相手に」
そう言ったエストは少女に手を差し伸べる。
「私の名はエスト・プリュンスタンド。ヴェサリス団体に属している者だ。君は?」
エストの顔を見た少女はその手を握り、口を開く。
「わからない。忘れた」
「忘れたか……旦那、いい名前は無いんスか?」
ガンツに問われたエストは笑みをこぼし答えた。
「あるさ。彼女にぴったりの名前がな」
エストは少女の頭を優しくなで、頬に手を添えて応える。
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