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「はい、そうなんですよ。正直言って、私的にはこんな社会のゴミに等しいニートを召喚してしまったことに、少なからずの残念さがあるんですけどね」
俺の言葉に、目の前の少女は笑いながら答える。
「悪かったな期待外れでっ、しかもニートって何だ、ニートって!せめてフリーターにしろ!!」
「バイトしているんですか?」
「………………………………」
何も言い返されない自分に腹が立った瞬間だった。
いや待て、
これは、
コイツは奴の策略だっ
俺の弱味を知りながら、こうも積極的についてくるからして、コレは奴の罠だっ。
弱味を握られた人間の末路なんて、それは一つしかない。
決まっているんだ。
──絶対的服従
「俺は、お前のような得体の知れない奴の駒になんかなってたまるかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
あからさまな現実逃避から生まれた言いがかり──主に自分の妄想に身を任せ、走り出した文也。
「ちょっ、何訳わからない発言をするんですか!?そして、どこに行こうというんですか!!」
「小嶺文也、直ちに戦線から離脱する!」
少女の言葉も虚しく、文也は薄暗い森の中に消えていった。
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