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「──という夢をみたんだ」
今は夕方の午後六時をすぎた頃。
小嶺文也のマイルームにある丸いガラステーブルを中心に、小嶺を含めた三人の男が、冷たい床に腰をおろしていた。
「……つまり、文也はその異世界に迷い込んで、美しすぎる美貌を持った美少女と『ハァハァ、ハァハァ』な体験をしたと。……そういうことか?」
「うん、根本的に間違えてるね」
ん、そうか?と顔を俺に向けているこのスーツ姿の男は『三原健司』。
長身で、俺の背丈よりも頭二つ分程の高さを有しており、黒縁眼鏡と暗いピンク色のネクタイが印象的で、俗に言う変態だ。
「何かそこはかとなく馬鹿にされたような気がするんだが、私の気のせいか?」
「気のせいだったらよかったのにな」
さらに言うとコイツは勘がいい。いいっつーか、良すぎて腹が立つ。
だから嘘なんてついたとしたら、その時はすぐにばれてしまうということが度々あったりする。
「──……なぁ、文也。全く分からないぞ。俺が分かるよう話してくれ」
そしてもう一人、
「つまりは、俺が違う世界で美少女でアレな夢をみたんだ」
「なる程な~………。理解したぜ!」
この自信満々な笑みを俺に向ける茶色いつなぎ姿の男の名は『高比良翼』。
至極直接的に言うと馬鹿である。
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