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第3章.紐解かれていく何か
当日、既に本庁に護送されてくる彼を、私と川崎君はロータリーで待っていた。
多少現場慣れしている私に比べ、相方である彼女はあまり慣れていない為か顔色が悪い。
更に同行者が犯罪者だから不安になるのも無理はない。
私だって時間が経つにつれ足がおぼつかなくなってきている。
第一、何故私と彼女が指名されたのかも分からない。
私は一応エリートコースを歩いてきたが、成績も中の下、暗記はまぁまぁだが閃きが足りない。
何より体力がない。
事件よりもデスクワーク向きだというのは自分が一番わかっているのだが…。
しかし、四の五の言ってられる状況ではなさそうだ。
樹本という人間がどうであれ、私は現場を指揮しなければならない。
それに…、新米の川崎君も引っ張らなければならない。
自分に自信を持て!
樹本を気圧させる位じゃなきゃ。
ブウゥゥン!
き、来た‼
ガチャ…
‼‼‼
後部座席から出てきた男は、報告書を疑わざるおえない明らか10代そこそこの青年だった。
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