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 当然ながら、俺が喋っていない間にも小牧翔太は生きている。彼の「プロフィール」はこんな感じ。  高校1年生。ちなみに遅生まれで永遠の15歳だ。主人公女子以外のクラスメイトとかの評判では大人しく目立たない子、という印象らしいのだけれど、主人公女子に対しては年下の甘えを武器に結構猛烈なアタックをしている。  ……あ、一応、乙女ゲに詳しくない人のために追記しておくけど、たいていの乙女ゲの男子は主人公女子に猛烈なアタックをするものだ。しないと恋愛ゲームにならないからね。使う武器が違う程度。翔太の場合は上目づかいだ。ちなみに身長は男子の割に低め、くらいを意識して設定したらしい。168だったかな。  主人公女子の側には最初、弟のようにしか思われてないけど、ストーリーが進むとささやかながら翔太は豹変する。違う一面を見せる。クラスメイトの女子がハイテンションで喋っていた言葉を聞きかじるところによると、業界では「黒化」という言い方があるらしい。  で、一回関係がぎくしゃくするんだけど、翔太のやつが微妙に寂しそうというか、捨てられた仔猫みたいな態度に出始めて、……みたいな、まあ、そんな話だった。
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