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「約束だよっ」
「うん!大きくなったら絶対に───になるよ!!」
少女の言葉に対し、少年は力強く頷く。その瞳には強い決意が感じられた。
少年の言葉を聞いた少女は満面の笑みを浮かべると、自分が身に付けている銀のロザリオを少年へと手渡した。
「これは…?」
少年は手渡された銀のロザリオをまじまじと見ながら少女へ問う。
「あげる!それがあれば──が大きくなってもすぐ──だと分かるように…目印だよっ」
「うん…ありがとう!
必ず───になるから…待っててね…」
「絶対…絶対だからね!
……もう時間が無いから行かなくちゃ…」
「分かった…次会うときは───になった時だね…」
───少年と少女の視線が交差する。
互いに惹かれあうように近付き、その距離はお互いの吐息が触れ合う程。
…少年は一度だけ強く少女を抱きしめると、震える声で別れを告げた。
少女は涙を必死に堪えながら振り返り、そのまま走り去る。
少年は去りゆく少女の背中が見えなくなるまでいつまでも見つめていた…。
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