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気配は通りの茂みに二人、いや三人。納屋の影に二人。
「つけられたようだな」
男の言葉にミーアは青ざめる。
「ワタシ………」
「気にするなミーア」
女は震えるミーアを抱き留める。
「オレがいいというまで出るな? いいな?」
「アンタ…」
「共に雨宿りした仲だ。それに女二人を多勢で、というのは好かないんでな」
言うと男は飛び出して行った。
男は自称剣士というだけあって、あっさり五人を倒し戻ってくる。
「…殺したのか?」
男から血の臭いがしない。
「いや、峰打ちさ」
男は軽く頭を振った。
「街まで送ろう」
「いえ…」
「いや、頼むよ」
断ろうとしたミーアを遮り女は言った。
「礼は出ぬがな」
「かまわないさ」
三人は街を目指し歩き出した。
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