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みーちゃん……大げさだなぁ。大きな目をさらに開いちゃって。
だけど、ちょっと私も恥ずかしいかな。
長年、獰猛なオスにしかトキメかなかったのに、同じ種族の人間に恋しちゃった話をみーちゃんにするなんて……。
ほっぺたを赤らめ、適度な恥じらいを見せつつ私はみーちゃんに少しずつ語りだした。
「彼と出会ったのは、夕暮れ時。オレンジ色の夕日を浴びながら、彼は立っていたの。人気のないビルの裏。顔や制服に点々と血がついていたわ。彼がケガをしていたのか誰かの血なのか……それはわからなかった」
「……え?」
ああ、今あの光景を思い出しただけで胸が高鳴る。
顔面に熱が宿って、きっと真っ赤っかになっているわ私。
みーちゃんったら、そんなに驚いちゃって。
私を不審そうに見てるのも、それだけ真剣に聞いてくれてるってことだもんね。
「キラキラしてたなぁ……彼。暮れていく太陽の方をじっと見つめていて。すっごく大きい人なの!背高いの!2メートル近くありそうな!それでね、髪の毛がブロンドで逆立ってて、ライオンのタテガミみたいで!!瞳の色はブルー……そう、まるでターミネーターみたいな人」
「いや、本当に人間なのソイツ!?」
こうして、私の恋は始まった。
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