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「今度はライオンとかトラとか熊とか豹とかじゃないんだよね!?」
「うん、違うよ。人間だよ」
私に抱きついていたみーちゃんが急に顔を上げるもんだから、もの凄く距離が近くてドキドキしちゃう。
若干みーちゃんは涙目だった。
だけど嬉しそうに微笑んでくれるから。
やっぱり可愛いなぁって、見とれてしまうんだ。
「じゃあもう、動物園に通わなくていいんだよね!??」
「うん、いいね。入園料浮くから助かっちゃう」
私も頬が緩んじゃって、みーちゃんと抱き合って喜んでた。
クラスメイトからは特に変な目で見られることもなかった。
女子校って女だけの世界だし、けっこうスキンシップも過剰気味になっちゃうから、こんなのは日常茶飯事なんだ。
「あ~……ホント夢みたい。ミチルにこんな日が来るなんて……」
「そうだよね、私だって自分で自分を褒めてあげたい……」
しみじみと、私とみーちゃんは窓の外に目をやり、遠くを眺めていた。
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