私、恋しちゃったみたい……人間に

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 けれど、淡い初恋はまーくんにお嫁さんがきて終わってしまった。  私は人間。彼はライオン。 「種族という壁がどんなに厚いか思い知ったわ……。許されない恋なんだ、って」 「悲劇のヒロインになりきれないところが惜しいわね……」  それからずっとずっと、私は動物園に通い詰めていたのだ。  ついこないだまで。  まーくんの失恋で傷ついた心を癒すべく、トラのヒロくんや熊の大五郎、チーターのジョージ、時には同じ霊長類であるゴリラのマサカサなど、それはもう多種多様のオス達に恋してきたけれど。 「最終的に、他の女の子に取られちゃうんだよね……。ふふ、哀れな私」 「恋愛対象にはなれなくても、食欲の対象にはなれるのにね」  みーちゃんはすでに興味をなくしたらしく、私の話なんか流し聞きで爪をやすりで削っていた。 .
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