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-9月11日-
別れ際のあなたの哀しそうな目が全てを語ってた…
【わかってたよ】
あなたの嘘を見抜けない程、バカな女じゃない。
ほんとは追いかけて抱きしめたかった…
でも、
ゆれているあなたを困らせるだけだと思った…
一緒に過ごした時間を静かに胸に抱きしめて、
1人…電車に乗った…
9月20日の今日は何の日?
忘れてる?
もう一度、あのホテルに泊まりに行きたかったな…
レインボーブリッジが窓一杯に見えるあの部屋に…
今月であのホテルは終わってしまうんだって。
だから…
今日は、あの時には存在していなかった娘の部活の大会があるの。
そう、
先週、あなたと過ごしたあの街で…
夏休みもなく、あなたがいない寂しさと毎日闘いながら、精神的にも肉体的にも疲れきっている彼女。
やっと今日を迎えた…
赤いコスチュームを着て、大勢の人の前に背筋をのばして堂々と立ち、きっと立派にそのステージを終えるのでしょう。
拍手を浴びるその時に、
優しく微笑みながら客席から観ているあなたを想像し、彼女は涙すると思う。
私は静かに
あなたのいない客席から
そんな彼女を
見守ってる。
あなたの代わりになれる人はいない…
あのホテルに一緒に泊まりたいと思える人も…
娘が『観てほしい』と願う人も…
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