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結局その日は、木村は深キョンにロックオン。
塚原は後半は完全に酔っぱらってノックダウン。
俺はというとジャニスとキャバクラとは思えない程、純粋でよそよそしい会話をしていた。
ただ、つまんない男と思われるのが怖くて、無言の間ができないように一生懸命しゃべり続けていた。
でも逆効果だよなあ
人の話はあまり聞かず一人でしゃべり続けていたんだから。
君の瞳に初めて出会った俺はどう映った?
大勢いるお客さんの中の1人?
そりゃそうだよね。何を期待してるんだろう
初対面で運命でも感じて欲しかったのか
時計の針が深夜の2時を過ぎると、夢の魔法は溶け、現実という別れの時間がやってくる。
木村がまとめて支払いを済ませ、3人は店の外に出る
出口の所で深々とおじぎをして、笑顔で手をふり、見送ってくれるジャニス
たまらなく可愛い
何もないような顔して手を振りかえし
「またね」と言った
また会える事を信じて
木村と塚原に駐車場で一日のお礼を言い、送り出した頃に一通のメールを受信した。
(今日はありがとうでした☆気をつけて帰ってね。おやすみなさい)
ジャニスからだ
特別な感情はなく、お客さんに送る普通のメール。いつもキャバに行った後、女の子からくるいつも通りのメール
俺は初めて会ったキャバクラの娘に何を期待してるんだ。当たり前だろ
少しがっかりした自分を抑え返信
(お仕事お疲れさま。こちらこそありがと。楽しい時間を過ごせたよ。また会えたらいいね。おやすみなさい)
特別な感情を抱きかけてる自分を感じながらも好きになるような相手ではない、飲みに行った時だけわいわい楽しめればそれでいいはず。
自分に言い聞かせながら家路についた。
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