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蛟は断末魔を挙げると、二、三度痙攣し、やがて動かなかった。
張覇は蛟に突き刺さったままの百星刀を引き抜いた途端、動かなくなった蛟から何とも謂えぬ臭気が辺り一面に漂った。あまりの臭気に堪えかねて、張覇は死骸となった蛟から一度顔を背けたが、張覇の目に何か場違いな物が目に映った。張覇は臭気を堪えながら、改めて蛟の死骸を見た。
それは小さな櫛であった。おそらく生け贄となった誰かの娘の物であろうと思い、張覇は泥を払い、そっと懐にしまった。
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