牛皐、検正使を殺し出奔し、張覇、道に迷いて蛟を斬る

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張覇が元来た道に戻ろうと一歩踏み出した瞬間だった。張覇の背中に悪寒が走った。 張覇の背後から、また微か呼吸音がした。張覇は勢いよく振り返ると蛟の死骸だったものが、ゆっくり起き上がるところであった。 「あり得ねぇだろう。この野郎。」 張覇はそう言うなり、百星刀を再び抜いた。 息を吹き返した蛟の攻撃をかわすと、二本の角の間に百星刀を突き刺そうとした。しかし、百星刀は甲高い金属音とともに弾かれてしまった。
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