牛皐、検正使を殺し出奔し、張覇、道に迷いて蛟を斬る

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張覇は蛟につけた筈の傷すら蛟には見当たらなかった。張覇も流石に動揺し、蛟の攻撃に対する対応が、僅かに遅れた。張覇は致命的な傷は負わなかったものの、蛟の前足の爪で衣服は裂かれ、蛟の尾に脇腹を痛打され呼吸は詰まった。 それでも張覇は蛟と距離を一旦取ると、再び迫り来る蛟の攻撃をかわし、蛟に何度も百星刀を打ち込んだ。しかし、それらは全て先程と同様に甲高い金属音だけを残し、蛟に傷一つ負わすことはなかった。
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