743人が本棚に入れています
本棚に追加
/2552ページ
「これは浄めの酒じゃ。蛟の黒く濁った血は人の身体に障りをもたらす。それでよく洗い流すが良かろう。」
「あんた一体何者だ。」
張覇は老将の言う通り酒で身体に付着した蛟の黒い血を洗い流しながら尋ねた。
「儂か。儂もお主同様に百星刀を持つ者よ。」
老将はそう言って、自分の刀を見せた。それは張覇の持つ百星刀と全く同じものであった。驚く張覇を見て、老将の口元が綻ぶ。
「何もそんなに驚くこともあるまい。そもそも百星刀は、王彰儀様が護国の象徴として造らせた刀。他に持つ者がおったとしても何ら不思議はあるまい。」
最初のコメントを投稿しよう!