張覇、南滔で百人長となり初陣す

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敖倉の守備隊長は張覇とすんなり面会したものの、張覇を一瞥したのみで、書類に目を通しながら言った。 「貴様が伍県の張覇か。」 張覇は守備隊長の態度、物言いに腹立たしさを覚えながらも、左様でございますと答えた。守備隊長は顔を上げず、ふむと言いながら、尚も書類に目を通し続け言った。 「大まかな話は、他の者から聴いておるな。」 張覇は短く、はいと答えた。 「ならば、よい。」 そう言うと、下士官を自分の側に呼び寄せて言った。 「たしか普嶽村と洞泰村の義勇兵が未だ指揮官が不在であったな。」 守備隊長の問いかけに下士官は渋面ながら、はいと答えた。
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