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「奴はたかが田舎の亭長にしか過ぎん。それが百人長だ。処遇としては充分であろう。」
「しかし、あの隊の者達は何かと問題が多く、あの者で務まるでしょうか。」
「務まる、務まらんは、あの者の問題よ。こちらが気を揉んでやる必要などないわ。」
「しかし、かの者を推挙された孫藺様の手前もございましょう。」
下士官の言葉が、更に守備隊長を不機嫌にさせた。
「そもそも孫藺なる者は、いかなる者か。崔敬先生の覚えめでたく、南天領で最年少で登用されただけの元服したての小僧にしか過ぎぬではないか。」
しかし、と食い下がる下士官を守備隊長は一喝し、下がらせた。
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