極道の世界

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僕が生まれる前、母が父と結婚する前から父は極道の世界に入っていた。 母は結婚した直後から、父に暴力を振るわれていたという… その暴力は兄が生まれてからも僕が生まれてからも無くなる事は無く、父は酒を飲んでは頻繁に暴れていた。 そんな父は人生の半分近くを刑務所で過ごしている。 罪状の多くは傷害だが、ある時は薬物・銃刀法違反・無免許…と、なんともくだらない事で何度も捕まっている。 そんな僕は皆に可愛がられて育った。 あの父でさえ僕には手を挙げなかった。 そのせいか、兄にはしょっちゅういじめられた… それにいじめ方がほぼ虐待レベルで、母が仕事で夜遅く、父が刑務所に入っていて、夜兄と僕の2人だけの時は、ご飯1粒だけの晩ごはんや、『地獄ラーメン』と称して、唐辛子を大量にいれた激辛ラーメンを食べさせられた(この時、アニメ『ポケットモンスター』が始めから終わる直前まで食べていたので約30分間泣きながら食べていたのは忘れない…) 時には、兄が母の財布から盗んだお金を僕のせいにして、包丁を首に突き立てられたり、兄が剣道を習っていたので相手を無理矢理させられた挙げ句に、『ちゃんとやれ』と、2本の竹刀で何十発も叩かれた… そんな兄でも、父の関係で、脅迫電話があった時には僕の事を守ろうと必死に考えてくれたりしたので、まだ許せていた。
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