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夢を見た。
いつかの、父とキャッチボールをしていた時の夢。
その父も、先日亡くなった。
悲しみだけが心を充たしたが、いずれにしても父はもういない。
母は俺が産まれてからすぐに死んでいる。
だから俺は祖父母のところに引き取られることになった。
今、汽車に揺られて山道を走っているのもそのせいだ。
くすんだ灰色の空。雲はどこまでも暗雲を伸ばし、まるで世界を覆い尽くす闇のように広がっている。
もう一眠りしよう―――――
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