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ピンポーン。
街中から少し外れた郊外にある住宅地。
そこに祖父母は住んでいる。
古めかしい造りの家に真新しめのインターホンを押し、少し待つ。
「はいはいはい、ちょっと待ってね~」
中から聴こえてきたのは柔らかな年配女性の声。
開いた引き戸からは柔和な顔が覗く。
「あらあら、ソラ君。もう着いたの。ささ、上がって」
招かれるまま、邸内へと足を踏み入れる。
「おじいさん、ソラ君が来ましたよ。おじいさん!」
「そんなに呼ばんくても今行くわい!」
奥から怒鳴り声が聴こえ、ドタンバタンと慌ただしさが家を包み込む。
懐かしい祖父母の家の匂いを大きく吸うと、奥からひょっこり現れたのはこれまた年配の男性。
「おぉ、ソラ坊! 大きくなったのう!」
「じいちゃんとばあちゃんも元気そうで」
「がははっ、まだまだ現役じゃい!」
「おじいさんは元気すぎよねぇ。ソラ君も負けないくらい元気そうね」
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