未来へ

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     …言い忘れてたけど、私の名前は橘裕希。 彼と初めて出会ったのは小学校。自分で言うのもなんだけど、私はあまり明るい性格ではないと思ってる。その性格は今も昔も変わっていない。…だから小学校の初めは友達になろうと言われたことはあんまりなかった。そんな中、私の性格をもろともせずに声を掛けてくれたのが、その当時、クラスの中心的存在だった晃太。晃太は開口早々私にこう言ったんだ。  「ぼく、ささきこうた!…きみは?」  私は話しかけられたことにびっくりして初めは何も言えなかったけど、何度も何度も名前を聞いてくる晃太の気迫に押されて、自信無さげにこう言ったんだ。  「…たちばな…ゆき…です。」    「ゆき…ちゃん?…じゃあ…、これからはゆきちゃんのこと、“ゆき”って呼ぶよ。よろしくな!」  「…うん、わかった…。えっと…こうたくん。」  すると、晃太はニカッと言う効果音がつきそうな眩しい笑顔と共に人懐っこい雰囲気を惜しみもせずに醸し出しながら、何の迷いもなく右手を差し出してきた。私はその笑顔がまぶしいなと思いつつ、おどおどしながら差し出された右手を握り、握手を返した。    …それが私たちの始まりであり、私たちの原点。
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