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「‥佐々岡!」
「えっ、はい!」
昼休みで購買にパンを買いに来ていたところ、隼人くんに声をかけられた。
人に押されながら隼人くんのもとへ急いで行く。
(珍しいな、自分から私を呼んでくれるなんて…)
「えっと…なにかな?」
私は、はっきり言って隼人くんとは話したことは多くない。
だから少しばかり緊張する。
手で握っていた財布に汗が染みた感じがした。
「あのさ、この前の部活でハンカチ貸してくれただろ?」
「え、…あ……」
(そういえば隼人くんあの時怪我をして……
下校まぎわで急いでたから…私、自分のハンカチで包帯代わりにしたのよね)
「ハンカチさ、血がついて汚くなっちゃったから、捨てちゃって…代わりに昼飯、おごろうかと思って。ホントに悪い…」
「え! そんな! いいよ、あんなの…ボロいハンカチだったし」
(そんなこと、気にしてくれてたんだ…)
「でも…ありがとう!」
微笑みながら、私はそう言った。
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