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あけるわよ。
あけるわよ。
あけたい気持ちは山々だけど、手に持ってるハサミが動かないのよ。
あれから、リビングにいるママにただいまと言ってから、一目散に二回の自分の部屋に潜り込んだ。
着替えもせず制服のまま、ガサゴソとカバンから二通の手紙を出し。
机の引き出しからは、ハサミを出して準備はOK‥‥―。
ベットの上にドカリと座り込んむと、きしりと鳴いてあたしを受け止めた。
手紙をじっと見つめてみるけど、おいしい苺のケーキに変わるわきゃない。
「はぁ‥‥―。」
思わずため息が一つ残る。
手紙を、裏表をくるくると回転させてみるけど両方とも、宛名も、誰からなのかも書かれていない手紙。
誰宛の手紙?
まぁ、二回もあたしの下駄箱の中に入ってんだから、あたしへのなんだろうけど。
全く同じの封筒で、中身も大して変わりないみたい。
なんか、どっちが最初の手紙だけわかんないくなちゃった。
どっちが、最初?
「まぁ、いっか。」
あければすべてわかる!
そうでしょ?
あけるわよ?
あたしは、大きく深呼吸をすると、そっと封筒の端にハサミをいれた。
ちょきんと音を立てて、切れ端はベットの上に舞い落ちていった。
かさりと中から出てきたのは、一枚の手紙。
中身は手書きなんかじゃなくて、印刷された無機質な文字。
そして。
「‥‥なに、これ。」
あたしに対する、愛を綴ったの言葉数々。
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