だるまさんが転んだ!?

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 ̄ 「お前は、どうしてノロマなんだ?」 怒ってる。怒ってる。 あたしは気付かれないように、小さくため息をついた。 行きも帰りも乗せてってもらっている身としては、あたしだって待たせたくはない。 でも、アクシデントがまた起きたんだもの。 しょうがないじゃない。 ‥‥‥―。 なんて、言える訳ないから 「知らない。」 の一言で片付ける。 理はわざとらしく、大きなため息をついた。 「まぁ、乗れや。」 「すまないねぇ。」 今日も当たり前かのように、後ろにまたがる。 理はあたしが乗ったのを確かめると、学校をあとにした。 あぁ‥‥―。 ヤバい。 夕焼け超きれい‥‥。 空は、オレンジ色に染まっていて、白い雲までもが薄いオレンジ色。 なんかオレンジジュース飲みだい‥‥‥―。 「なぁ。」 「んぁ?」 理が前を向いたまま、話しかけてきた。 あたしは、ぼうっと空を眺めながら気の抜いた返事をする。 「お前さぁ‥‥―。いつになったら、彼氏作んの?」 「はぁ?!わっ‥‥。」 あぶなっ! バランス崩して、コンクリートとチュウしそうになったし! いやぁ、冷や汗かいたわ‥‥。 「なぁ?聞いてんの?」 「へっ?」 苛々したような声が、前から聞こえてくる。 なんで、おこってんのさ‥‥。 しかも。 そんな、プライベートなこと、 「理には関係ないじゃん。」 思ったより冷たい声で、あたしが吃驚した。 こんな声もでるんだ、あたし。 「いいじゃん。俺とお前の中なんだから、教えろよ。」 いいじゃんって あなたはいいでしょうとも。 あたしは良くない! 「そんなの、うちに何のメリットもないじゃん。」 「シャンプーないの?」 「ちがう、利点だよバカ!」 利点ねと呟きながら、納得したように笑う。 はいっ! その笑顔は、計算された作り笑いですぅ! わざとなのも、知ってますぅ。 その笑顔は、女の子を落とすときのだとも、知ってますぅ。 あたしを誰だと、思ってんだか。 思わず、ため息が漏れる。
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