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10月12日・火曜日
今日もいつもと変わらない日になるはずだった。
あたしの髪の毛はいつも通り、天パでもさもさだし。
英語の先生はいつも通り、色気むんむんのボンキュッボンだし。
ママのお弁当のおかずはいつも通り、冷凍食品ばかりだし。
そんでもって。
帰宅部なあたしは、いつも通り昇降口のロッカーを開ける。
ここまでは、いつも通り。
オーケー?
でも、このローファーの上にある白い封筒は何?
それは、異様な雰囲気を醸し出している。
出来ることなら、関わりたくない。
「いじめデスカ?」
あたしは眉を寄せて首を傾げるけど、誰もいない昇降口では返事は返ってこない。
確かにあたしは髪は天然パーマ。
校則にうるさいうちの学校じゃ、目立ちまくり。
いじめられる要素は百点満点。
だけど、パーマかけたみたいに綺麗なくるくるじゃない。
例えるなら、ぐるんぐるんみたいな。
とにかく、天パってわかる天パ。
だから、いじめられたことはない。
目を付けられたことはあるけど。
それに好奇心からくる視線は一学期までに、大概は終わっちゃう。
今はもう二学期で、風が冷たくなる10月。
「ピークはすぎたんですけど。」
‥‥‥‥―。
まぁ、いいや。
今ここで考えるのは、めんどくさいから、家に持ち帰ってゆっくり考えましょ。
いじめなら、対策を考えなきゃいけないし。
あたしは鞄の中に白い封筒を押し込むと、ローファーを取り出した。
何事もなかったように、トントンとローファーに踵を詰め込んで、自転車置き場に向かった。
ほら。
これでまた、いつも通り。
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