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11月9日・火曜日
忘れてたよ。
「まじデスカ‥‥。」
あちゃ~。
って言ってみたいけど、恥ずかしから言わない。
でも、そんな気分なわけ。
確かに、あの日。
あたしはあのまま帰って、今の今まで本当に忘れてたわよ。
お隣さんで、幼なじみの理に「バイバ~イ」なんて言いながら帰ったわよ。
鞄の中に、ぶっ込んだままなのも認める!
だとしても。
「二回も?」
つうのは、どういう事よ。
あたしはもう、目の前にある白い封筒を見つめるしかない。
今日だって1日を振り返れば、いつも通りの日々。
そう言えば‥‥―。
今日は、ちょっとだけお弁当の具が手作りだった。
昨日の、残り物だけど。
あ、後。
英語の先生が気合いの入れた服を着ていたがら、今日はたぶん合コンなはず。
そうやって、今日1日を必死に思い出していく。
でもやっぱり、いじめられてる感なんてまったくない。
むしろ、いつも話しかけられない女の子グループから挨拶をしてもらって、ハッピーなんだけど。
じゃあ、何コレ。
イジメに関する、手紙じゃないの?
いや、中身を見たわけじゃないから何にも言えないけど‥‥。
あたしに、どうすれと?
「ちぃのぉぉお!!」
その時、どこかの幼なじみの雄叫びが聞こえた。
はい。
ホームズごっこは終了。
今のアタシの選択肢は、急いで雄叫びをあげている幼なじみの元に行くしかない。
まあ、いいよ。
手紙は家に帰ってからにする。
でもって、家に着いたら二通の中身を見てみることにする。
大丈夫。
もう、忘れなし。
理をまた待たしてるし。
あたしは誰かに言い訳をしながら、手紙をまた鞄の中にぶち込んだ。
そして、急いで昇降口を後にした。
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