第1話~始まり~

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少女には条件に背いた覚えはなかった。 もう一度鏡に視線を戻し、そっと撫でる。 そして、「やっぱり…」と、閉じた口を再び開く。 「たった一度でも、願いを叶えてもらえるなんて、 そんな都合の良いこと 起こるわけない…。」 諦め、少女が立ち上がろうとした時、 鏡の表面に水が張り、 鏡に映った満月がくにゃりと少し歪み、 光を放った。 途端に、少女の周りは夜の暗い闇ではなく 白い世界へと変わっていった。 光が消えた頃、そこに少女の姿はなかった。 `
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