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「……あのね。みんなとの約束があるのよ? それもおにいちゃんのせいでするハメになった約束が。その辺、わかってるわよね」
「うぐ……それはそうだが……でも実際問題、とてもじゃないが皆で花見できるようなスペース確保できそうにないぜ?」
「確かにな……亜由美ちゃん、感情的な部分は置いとくとして、こりゃ少しの空きスペースを見つけるのもきついんじゃないかな」
「……無理、……なの……………?」
と、目が潤み、急に泣きそうな顔になる亜由美。
「―――――!!」
そしてその亜由美に上目遣いの視線を向けられ急に緊張した顔になる航平。
「……お、おい……?」
「…………健真」
「お、おう……?」
「行くぞ」
「は?」
「いやだから場所取りにだよ馬鹿かオマエは。なんとかあいてるスペース探して足りない分は交渉して何とかすればいいだろ行くぞ!」
「いや、ちょ、おいっ」
亜由美の表情はフェイクってか罠ですよって言っても聴かないし効かないんだろうな。
……ていうかこいつ、『交渉』って方法さっきから思いついてたのに面倒だから黙ってやがったな。
面倒なのはすごい同意見だからそのまま黙っててくれれば良かったのに。
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