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――――PM3:35。
なんと、俺としたことがこんなに早く起きてしまうとは。
珍しいを通り越して雨が降るどころか大災害モノだぞこれは。
「なんてこった、早く避難しないと……ッ!!」
「……マジですかよ。コレだけ目覚ましもセットしといて忘れるか普通」
あー……そういやそうか。
目覚ましがなったってことは当然その時間になるようにセットされてたわけで。
そういえばなんとなくセットした覚えはあるようなないような……でも何で?
「…………はて?」
「こりゃ重症だな。まぁあれだな、とりあえず『寝ぼけるのもいい加減にしろ』なんて、月並みな台詞をプレゼントしてやる」
「? ……あぁ、まぁ、ありがとう」
俺の言葉を聴いた途端。
目の前の男は額を手で押さえて俯いてしまった。
そしてため息。
「オマエ……今のは素だな? 全部聞いてなかったくせに一部の言葉だけ捕まえて反応するの、やめといたほうがいいぞ。ややこしいトラブルの元になる」
「ん~む、そうか……。ところで、だ」
「何だ? まさかまだ思い出してないとか言わないでくれな」
「いや、別にどうでもいいことなんだが……お前、誰?」
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