さくらののらくさ 第二週

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――――その場所は、人の生理的欲求を満たし。 ――――その場所には、特定の条件下において無条件で駆け込みたいという衝動を俺たちに抱かせ。 ――――そして、その場所に駆け込んだとき、俺たちは独特な匂いとともにある種の安心感、なんとも言えない安らかさに迎えられる。 ――――俺は今、その安心感と脱力感を感じながら最後の一雫を出し切って、俺はその場所を出ようとしていた。 「って、俺はただトイレで用を足すだけに何をごちゃごちゃ考えてるんだ……」 早く行かなきゃならないのに。 公園では亜由美と航平が待っているだろう。 これ以上遅くなったら何言われるかわかったモンじゃないし、それに、 「……俺しかいない場面が続くと、筆者のキャラ絡み描写の練習ができねぇもんな」 なんて、他のやつらがいたら『何の話だ』なんて突っ込まれそうな独り言をつぶやいてみる。 いや、そもそも俺にだって意味はわかっていない。 そもそも意味を考えるべきことではないのかもな……『考えるな、感じろ』って感じか。 「……いや、違うか?」
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