再起―フタタビ―

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扉が開く。 何処にいくかはイメージ次第。慎は戦争前に出た場所をイメージしていた。 扉から光が漏れだし、やがて慎は出た。 「ふう!…さてと。皆は…」 慎は固まった。イメージ次第で着く場所は変わる。つまり、全員がバラバラなイメージをしたら皆この世界の何処かに行ってしまうという事だ。 慎や優ならまだしも、早紀と優弥は来たことさえないだろう。優弥はどうか分からないが。 実際、ここには1人。 「とりあえず…真のところに行ってみるか。それから考えた方がいいな」 慎は前を向いた。要塞が塔の様に変わっていた。日が照らす青空の下、高く聳えた塔が絵になっていた。 慎は笑い、塔へと駆け出した。 「うまく着けて良かったな。優」 優の前に布を巻いて顔を隠した男が現れて言った。所々銀髪が布の間から出ていた。 「真、久しぶりね。まだ顔隠してたの?」 「だって2つも同じ顔があったら怖いだろ?この布も気に入っている」 真は満更でも無いような顔をしていた事だろう。優は窓があることに気付き、外を見た。塔の中にいるようだ。下には栄えた街が垣間見える。 「変わったろう?戦争以来、結構大変だったけど、ここまでにしたんだ。かなり凄いと思わないか?」 真は鼻で得意気に言った。優は言葉を無視して街を見続けていた。 「…行こうか。少し下に降りよう。そうだ、優。鍵を少し預からせてくれないか?やりたい事、いやしなきゃいけない事があるんだ」 優は真の言葉に疑問を持ちながらも鍵を手渡した。真は鍵を預り階段を降りて行った。優は後に続きついていった。 「どこ…ここ?」 周りには石で出来た壁。後ろには大きく、立派な扉。地下だろうか?足音が聞こえた。人が階段から降りて来る。 「ようこそもう1つの世界へ。それと、1人は初めましてだな。鍵を多く渡しといて良かった」 ディンと優弥は軽い自己紹介をしあった。 早紀と優弥は慎と優がいない事に気付き、再度周りを見渡した。 「アイツ等なら無事だろう。先行くぞ。ついて来い」 ディンは階段を昇ってすぐのエレベーターのスイッチを押した。2人はディンの後を付いていき、エレベーターへ乗り込んだ。
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