170人が本棚に入れています
本棚に追加
パァァァン…
下水道に銃声が鳴り響いた。どちらか一方に集中することが出来ない。
「ハハッ…逃げ場が無いと悲しいねぇ?」
「…油断大敵だ、アンドリュー」
葉淵まで遠い。殺るならアンドリューだが止まった瞬間に撃たれる。このままでは勝ち目が無い。
「…ならっ!」
一瞬にして葉淵に詰め寄った。葉淵がハンドガンを構える前に剣を取りだし、大きく振るう。
「くっ…!」
葉淵はギリギリの所で横へ逃げた。その瞬間アンドリューが襲いかかる。
「シネェェ!!」
アンドリューの腕が光り、鞭の様なものに変わった。真は驚き戸惑う。その瞬間、アンドリューの腕が真を襲った。
「な…んだ?それ…ッ!?」
アンドリューはニヤリと笑った。次は足が光り、蜘蛛の様な足に変わる。最早ドッペルゲンガーの域を越えている様な容姿だった。
カサカサカサカサ
アンドリューの足が素早く動く。天井にぶら下がり、ケラケラと笑っていた。
「なんなんだ…?おま―」
パァァァン…
真が動揺している間に銃声が鳴り響く。真は肩を抑え、剣を前に突き立てた。
「こちらを忘れるな」
葉淵が銃口を真に向けた。アンドリューの腕が真を襲う。真は剣で腕を振り払った。
「もうそろそろいいんじゃね?」
葉淵は真を見つめた。少し考え込み、ため息をついた。
「…イイでしょう」
アンドリューはニヤリと笑った。天井からおり、真の前に立った。口が光り、化け物かと思わせる程の巨大なグロテスクな口に変貌する。
「んなっ…?」
「いただきまぁぁス!!」
口を大きく開け、真を食べようとした。真はニヤリと笑い、瞬時に剣を持ち上げ、口を縦に切り裂いた。
「ンギィィ!!」
口が4つに割れ、悲鳴をあげた。真は止まらず猛攻を仕掛けた。葉淵は銃口から弾を撃つが、目が後ろにもついているかの様に全て真に避けられた。
その間にも真はアンドリューを切り刻む。すでに真の傷は塞がっていた。
「アンドリュー!逃げ…」
「ガァァァッ!キエロクズガァァァ!」
アンドリューは我を忘れたかの様に真の攻撃をかわしもせずに襲いかかった。アンドリューの傷も次第に塞がっているが真は攻撃を止めない。
「何ナンダコイツハ!?」
「変貌する化物…ここで倒しておかなきゃな。オレはお前等と同じだよ。治癒能力に優れてる訳が分かったか?ドッペルゲンガー♪」
最初のコメントを投稿しよう!