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アンドリューは顔をしかめた。
「あぁ…そういやそうだな。ムコウについてるからすっかり忘れてたぜ、お前も一応ドッペルゲンガーだな」
葉淵は立ち止まりハンドガンを懐にしまいった。
「アンドリュー。ここは任せた。私は別のところの様子も見てくる」
葉淵はそう言い残し消え去った。それはあまりにも投げやりな態度。
「ハッ…アノ野郎。逃げやがったな」
「…仲間じゃねぇのか?」
アンドリューは馬鹿にするように鼻で笑う。
「アイツはオレ等にとって必要な奴だからなァ。ま…テメェなんざ…オレ1人で充分なんだよッ!」
真に襲いかかると同時に体全体が光る。体また変化するのだろう。
「オレは特殊型ドッペルゲンガー!人間、虫、獣、ドッペルゲンガー関係無く自分が食べた生物の身体、身体能力、特殊能力を全て手に入れる事が出来るのだッ!磨けば最強の座に着ける!」
その能力はうまく使えば無敵だろう。鬼人を超えることなど容易かったはずだ。なぜ今まで隠れていたのか。そこに一番疑問を持った。
「ギィィィィッ!!」
アンドリューの体が眩しく光り放った。今にも変化しそうだが真は逃げない。それどころか勝利を確信したかの様に口元に笑いを浮かべていた。
「じゃ…いくぜ」
剣を一閃。
剣はアンドリューの体を縦に真二つに切り裂いた。アンドリューの体は光る前と全く変化していなかった。
「ナ…ン?」
真は馬鹿にしたように鼻で笑った。
「オレの能力を知らなかったのか?オレの攻撃を受けたらソイツの身体能力、特殊能力は低下する…お前は受けすぎたんだよ」
真にはアンドリューが最後に笑った様に見えた。アンドリューは二つに割れ、下水に体を落とし静かに消えていった。
「さがって、一樹」
「え?」
優弥は一樹の体を後ろに押した。2人の前方にはドッペルゲンガー。巨体の力自慢と言ったところだろう。
「なんだ?2人でかかってこねぇのかよ?」
「お前はオレ1人で充分だ」
ドッペルゲンガーの動きが止まった。優弥は背負っていた槍を前に構える。槍と言うより斧にちかいのだろうか。
「なんだそのなげぇ斧はよ」
「ハルバートと言われる武器だ。人間界では西洋で使われていたものさ…。今から死ぬ奴には関係無いがな」
優弥はドッペルゲンガーを馬鹿にする。まるで今から赤子と戦うかの様に。
「なんなら…お望み通り殺してやるよ!!」
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