第一話 ネコが来た

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 面接の上、皿洗いや、焼き物などさせてみたのだけど、その白いネコは、もう何年も居酒屋で働いていたかのように上手にこなした。  「まえに居酒屋で働いていた事があるの?」  わたしの質問に白いネコは少し照れくさそうに答えた。  「さぁ。何せネコなもんで、三日以上まえの事は覚えていないもな」  母に相談したところ、母はネコ好きだったので、即決で採用が決まった。  わたしは白いネコに「シロ」という名前をつけた。  「シロ、もう少ししたら常連さんが来るから、ちゃんと挨拶しなさいよ」  「わかったもな」
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