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気を取り直しまして、とりあえずは席を確保しますか。
やはりテスト前なせいか、勉強する為の環境が整っている(暖かい的な意味で)図書室には人が多い。俺達が入室してから入口付近でやんややんやしてる間にも、何人かの生徒が入室していたし。
まぁ、それなりの広さと蔵書を誇る我が校の図書室は、それなりの人数を収容できる。よっぽどの事がなければ、席にあぶれるという事態にはならないはず。
入室してすぐ正面には貸し出し、返却のカウンターがあり、そこから左手に向かって進む。
図書室を含めうちの特別教室は、通常の教室をぶち抜いて作ったかのような長方形の形をしている。まぁ規格を揃えた方が、建設するのも楽だったんだろう。
奥まったところには本棚が乱立し、そこに至るまでの道筋にテーブル席が集まっている。壁際には集中したい人の為の個人席も存在するが、俺達の目的は、複数人用の丸テーブル席だ。
「おっ、ちょうど空いてるじゃないか。ラッキー」
書架の手前に空席を発見。俺のお気に入りの場所だ。端的な意味で。人ごみが苦手な俺にとっては、端の席の方が集中できる。
鞄を机に置いた俺に倣って、二人も席に着く。それから誰ともなく、ほっと一息。
「いやぁ、この席をいただいた瞬間の開放感と満足感は、いつでもいいものですなぁ」
「………ま、それには同感だな」
「う~ん、やっぱり立ったまんまだと無意識の内にも疲れが溜まっちゃうしねぇ」
三者三様にコメントしつつも、俺達は一様につかの間の幸せを享受した。
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