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「それでここはさ、この部分と合わせて語呂合わせにすると覚えやすいよ」
「なるほど。流石は細川。聞けば知識の泉湧く。だな」
「おだてても何も出ないよ。それとなんだか違うよね、そのくだり」
「相変わらず厳しいね。勉強中は。鬼教官って呼んでもいい?」
「もっと厳しくていいなら」
「ごめん、嘘」
小休止からしばらくして、周りが気を散らしているのに気が付いた細川の提案により、現在は会話による粗潰し中である。
とは言っても、一番優秀な細川にこちらから献上できる知識なんてないので、質問専門な俺なのだが。
まぁ細川いわく『教えることで、より意識的に知識を深められる』とのことで、有り難く協力してもらってるわけだ。
「やっぱり細川の話は分かりやすいし、ためになるな。コイツに聞いても非効率で意味不明なだけだからな」
「………余計なお世話だし」
細川大明神の有り難さに心中で感謝している横では、大中が俺を引き合いにして細川を褒めそやしていた。
ヤツの言っていることは事実であるだけに、反論出来ない。
基本的に意味のないこと、間違っていることを言わない大中なだけに、こうして割と真面目な話で非難を受けると俺としては分が悪い。
こういう時は、さっさと流すに限る。
「んじゃさ、次はこっち、ここんとこどう思う?」
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