一章

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教訓。 人は本当に頭が血が上った時には、何の行動も起こすことなく、静止してしまうみたいだ。 言葉にならないとか、息を飲むなんてよく言ったものだなと思った。 頭に血が上ってとか、ついむしゃくしゃして、なんて言い訳の常套句は嘘だな。 だってこんなにも、自分で自分が分からなくなるのに、咄嗟に行動が起こせる訳無い。 きっとそれは、本当に頭にきたわけじゃなくて、ちょっとイラっと来た時点で行動に出てしまっただけなんだ。 それとも、頭が沸騰した瞬間でさえも、周囲の目を気にしてしまった自分がただのヘタレなだけ………か。 興奮の冷めやらぬ、でも思考がここではないどこかにある、そんな不思議な感覚の中で、ぼーっとそんなことが頭に浮かんだ。 ………何でこんな事になってるんだか。 ―――
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