プロローグ

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私が目を覚ますとそこは白い白い部屋。 床も壁も天井も純白の白。 あるのは、ベッドと小さな棚と1日1時間、同じ時間に白い服を着た人が点滴‥ということをしにくる。 液体の入った入れ物のに細長いホースのようなのがついている。 そのホースの先に針がついていて、それを白服の人は躊躇(チュウチョ)なく私の左腕に刺していく。  病院。 ここは病院の中で、私は入院しているんだ。 そう再確認するたびに悲しくなる。 涙が出そうになる。 いっそ泣いてしまえば‥体のどこでもいいから動かせられたら… 私は動くことができない。 私が朝7時に起きても動かせるのは目だけで…だれにも私の気持ちを伝えることができない。 泣くことすらできない。
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