空き巣にご注意☆(その5)

1/1
前へ
/6ページ
次へ

空き巣にご注意☆(その5)

「ご、ごめんなさい!」  即座に謝りながらも、女がなかなか立てずに俺の目の前でじたばたする。  香水やらの匂いが艶っぽく俺のリビドーを刺激する。  駄目だ。抑えろ。  俺は必死に理性を総動員した。  部屋まで届いていた外での談笑は消えている。  乗っかってはいても所詮女だ。力任せに押しのけて逃げるときだろう。忘れ物はない。逃げるチャンスはいつまでも続くわけじゃない。  いますぐ出て行くべきなんだ。  半身を起こして女を無理やりどけようとしたが―― 「あっ……や……っ」  理性とは、なんと脆いものか。  女の官能めいた声は、あっさり男の本能を衝き動かす。  気づけば俺は、体位を気取られないように戻していた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加