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空き巣にご注意☆(その5)
「ご、ごめんなさい!」
即座に謝りながらも、女がなかなか立てずに俺の目の前でじたばたする。
香水やらの匂いが艶っぽく俺のリビドーを刺激する。
駄目だ。抑えろ。
俺は必死に理性を総動員した。
部屋まで届いていた外での談笑は消えている。
乗っかってはいても所詮女だ。力任せに押しのけて逃げるときだろう。忘れ物はない。逃げるチャンスはいつまでも続くわけじゃない。
いますぐ出て行くべきなんだ。
半身を起こして女を無理やりどけようとしたが――
「あっ……や……っ」
理性とは、なんと脆いものか。
女の官能めいた声は、あっさり男の本能を衝き動かす。
気づけば俺は、体位を気取られないように戻していた。
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