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週末の街
いつもと変わらず賑やかにざわめき
人々が行き交う。
そんな街中の大通りで
子供達が何やら騒いでいた。
『おい!見ろよ!
不吉な黒猫だ!!』
悪戯に笑う子供は友達を呼び指を指す。
その指の先には
全身を黒い毛皮で被い
歪に曲がった鍵の様な尻尾を水平に威風堂々と歩いて行く黒猫がいた。
人の死を見透かす様な透き通り過ぎた瞳。
深い漆黒の毛。
その姿から猫は忌み嫌われていた。
子供の声に気付いた猫はすぐ暗闇へと走り出す。
『悪魔を逃がすな!!』
1人の子供が叫ぶと
動く的で遊ぶ様に
闇へ溶けるその姿めがけて次々と石を投げつけた。
「クソっ!!
俺の姿を見るだけで嫌いやがって!!
何で俺がこんな目に…。」
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