月光の部屋

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男は銀色の光を放つモノを指先で愛しげに撫でながら、月光が降り注ぐベランダに出た。 濃紺の夜空に、白く哀しげな光を放つ満月があった。 男の右手に握られたモノに月光が反射した。 男は再びソレを白い指先で撫でた。 鮮やかな紅い珠が、モノトーンの床に、落ちて、弾けた。
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