きっす

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 悟くんのくりくりの瞳が、驚いたように目を開いて手の甲にキスをしている俺の姿を見下ろしてくる。  俺は構わず、愛撫をするように優しくねっとりと  きめ細かい手に舌を這わせる。  人差し指、中指、一つ飛ばして小指、戻って親指に軽いキスを。  そして愛を誓うように、薬指に優しいきを落とす。 「……」  俺は立ち上がり、今だ目を丸くして口を開けている悟くんの下唇にそのままキスをした。  触れるだけの、軽いキス。  ちゅ、ちゅ、と何度もきすを落としていると、我に返った悟くんが顔を真っ赤にし、恥ずかしそうに眉を下げて見上げてきた。 「…しゅーくん…?」 「キス」 「…へ?」 「キスが、したかったんです」  ちゃんと言ったからソノとキスはしないでね、と笑いながら言うと、悟くんは更に顔を赤らめてばか、と小さく呟いた。 (すなおにいえよ、ばか) (へへ、ごめんね)
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