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俺は、静かに音をたてずにその場から立ち去る。
――まぁ、あんだけ激しいんなら少し音を立てたくらいじゃ気づかないだろうけどね。……さて、いつ気づくかなぁ?
玄関に置いてきたあの部屋の鍵とここらでは有名な族"BLOOD"の総長である紅夜の飼い猫(恋人)である証の指輪。紅夜がくれた王冠を被った髑髏のキーホルダーが付いた鍵。黒い石のキャッツ・アイの指輪。
総て、総長である紅夜の恋人である証だ。業と見え難い所に置いてきた"それ"
気づくかなぁ?
昨日まであった、俺の持ち物が消えてる事に……。
『どうした?お前からかけてくるとは珍しいな。やっと、俺のモノになる気になったのか?』
いつ聞いてもムカつく声。だけど、いま俺に必要なのはコイツの力。絶対的な力。
「……そう、かもね。DOLLの総長であるお前の銀猫になってあげるよ、条件付きで…ね。会って話そう、そっちに行くから」
『へぇ?何があったか知らねーが。いいぜ、早く来いよ』
"待ってる"と言い、電話が切れた。俺は、持っていた携帯を地面に叩きつける。
「さて、電話した事だしコレは用無しだね。あぁ、行く前に携帯買わないとなぁ……いや、買わせればいいか」
"鬼夜(キリヤ)に"とその顔に、薄く笑みを浮かべる俺。
さぁ、二人をどうやって壊そうか?ふふ、楽しみだよね。
何が良いかな?
どうやったら、最高の苦痛を与えられるかな?
そう考えている俺は多分、今までで一番の笑みを浮かべている事だろう。
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