20人が本棚に入れています
本棚に追加
「うぐっ…えぐっ……うう…ううっ」
真っ暗な闇の中には一人の少女がたたずんでいた。
光る涙を頬に伝えながら、必死に嗚咽を堪えている。
私は、儚げな少女を見ていた。
少女は手で顔を覆っていた。
その手に涙が伝い、苦しそうにしている。
…………ああ、この子も……。
辛い、辛い過去を抱えて生きている。
彼女も自分の立場を分かり、それでもと、コンクリートのひび割れから生えている雑草のように生きているんだろうな…
それも勇気だと思うし、意地だと思う。
私も、この前まではそうだった。
でもね、私は…
違う勇気も持ったんだよ?
死ぬ勇気を。
最初のコメントを投稿しよう!