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涼やかな風が吹き小鳥たちがさざめく穏やかな朝。
晴れ渡った空は気分を高揚させる。
空から視線を下ろせば、まだ早朝にもかかわらず賑やかな喧騒が広がる街中から少し離れた一角に建ち並ぶコンクリートの山。
その中の一つ、一際古ぼけた外装のビルから階段をリズム良く駆け上る音が響いていた。
足音はビルの中腹辺りで廊下を歩く音に変わり、一つの扉の前で止まる。
ドアノブを握った足音の主は直ぐには開けず、手元で素早く何らかの動作をすると漸く扉を開け中へと入っていった。
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