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「バルトは?」
「いつもの運動よ。もう少ししたら帰ってくるんじゃない?」
トーストをかじりながらもう一人の行方を聞くレイに、コーヒーを渡して座りながらジュネは何でもないように返した。
聞いたレイもそこまで気にしていなかったのか、軽く流す。
手元にあった新聞を広げ、視界に入った記事に目を細めた。
「レイ?」
「朝刊、もう読んだ?」
「まだよ。…何かあった?」
軽く問い掛けるジュネに肩をすくめることで返し、レイは食べ終わった食器を横に纏め、コーヒーを片手に再び新聞を読み出した。
首を傾げながらも、ジュネの口元には楽しそうな笑みが浮かんでいる。
暫くの間、コーヒーを啜る音だけが室内を満たしていた。
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