15人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
ガタリと響いた音に二人は視線を玄関へと向けた。
だが直ぐに外し、ジュネは空いた食器を持ってキッチンへ向かう。
「たっだいま~」
陽気な声とともに入ってきたのはがっしりとした体躯で赤い短髪の青年。
黒曜石の瞳には子供のような無邪気さが垣間見えている。
「おかえりなさい」
「おかえり」
「おぅ。おはよ、レイ」
「あぁ。遅かったな」
新聞から目を離さず訊ねるレイに、上着を脱ぎながらボルトは苦笑する。
「シルヴァのとこ寄れって言ったのレイだろ」
そこで漸くレイの瞳がボルトを捉えた。
「何かあったか?」
「はいはい、ボルトはシャワー浴びてきてからね」
遮ったジュネの言葉に尤もだと頷き、ボルトは汚れ片手に廊下へと消えた。
最初のコメントを投稿しよう!