※第5章幸せに……

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フミをそのままに残し、敬太とルーフは、歩き始めた。 「さっきの魔方陣は、禁術で、一度発動すると、全ての物質、ミクロ単位のものまでぶっ壊す猛毒。 言うなれば、普通世界の細菌兵器みたいな感じだな……。効果は3日程だが、空気が流れるあの場所では、瞬く間に、魔術世界全域へ広がるだろう。 だから、何としても発動させるわけにはいかなかったんだ。」 結界も使えないとなれば、あとは、時を止めるだけだが、発動間近のあの状態じゃ、間に合う確率は下がる。 敬太が、あの黒い棒を半分処理してくれていると思っているルーフの脇腹は、がら空きになり、串刺しの出来上がりだ。 敬太が府に落ちていない事は分かっている。 彼なら、フミも助けられる方法を最後まで考えただろう。 しかし、その敬太が、フミを殺す事を選んだのなら、それしかなかったのだろう。 「もう、こんなのゴメンだからな!あんな恐ろしい空間移動、二度と俺を巻き込むな!」 ルーフの訴えに、敬太は、振り替えると、ニヤリと笑う。その表情は、何か企んでいる感じがした。 「なんだよ……」
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